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オリジナルなるもの

  • Posted by: Rainyblue
  • 2009-04-20 Mon 23:04:46
  • Essay
もうさんざん言い尽くされた話を少しだけ。

私は表現行為に対する、「オリジナルなるもの」に対する呪縛から抜け出せていないのではないかとふと思うことがあります。

さんざん言い尽くされた話というのは、芸術とオリジナルが不可分の関係になったのはここ半世紀~1世紀くらいのことで、それまでは古典をきっちり踏まえていることが最も重要視されていたということ。つまり芸術と教養は不可分の関係だったわけです。

後にそれが崩されて「オリジナル」が至上の価値観とされるようになったのは、音楽では間違いなくビートルズじゃないかと。私は当時をリアルタイムで体験したわけではないけど、とにかく新しいことが次々に生み出されていった時代だったとのこと。その証拠(?)に、ビートルズは20世紀を経てポピュラー・ミュージックの範疇を超え、音楽の「古典」と化しています。

美術史は門外漢だからよく分からないけど、西洋美術だと印象派かなあ。ちょっと自信ない。日本文学はどうだろう。先週のウェブ文学論のレジュメに、「自分や他人の人生を材料にして、それを加工して作ったものを小説と称するようになったのは二葉亭あたりかどうか(後略)」と書いてあったので、口語体で書かれた言文一致の小説が契機なのでしょうか。

いちおう専門の映画についても。まだまだ歴史が浅いからそっくりそのまま「古典→オリジナル」の関係が当てはまるとは言えないけど、映画が発明されて114年。1895年のリュミエールによるシネマトグラフを映画の「発明」とし、そこから古典重視の時代が続いていったとすると、映画をオリジナルなるものにしたのはジャン=リュック・ゴダールであるとはっきり言えます。詳細は避けますが、とにかくこの映画監督は現代の映画に通じるあらゆる手法を作り出した人です。

「映画を『発明』した人は歴史上ふたりしかいない。ひとりはリュミエール。もうひとりはゴダールである。」
これは押井守監督の言葉。

ところで個人的な話になるけど、アーティストのPVやライブを見ても(ハイになることはあっても)別に何とも感じないのに、ニコニコ動画で素人がオリジナル作品をアップロードしていたり生き生きと楽器を演奏しているのを見るとひどく落ち込むことがあります。

なぜだろうって考える間もなく、私は「そういう類のもの」を避けるようになったし、必然的にニコニコ動画から遠ざかっていきました。余談だけど、そうした投稿作品には「○○してみた」というタイトルが付せられている場合が多く、その言い回しからは、コメントというある種の批評に対する保険と(美術でいう「習作」みたいなものか)、投稿者の自信が見て取れます。

そういった動画を見ることで、自分の中にふつふつと湧き上がる嫉妬心やコンプレックスといった醜い感情が表出するのが凄く汚らわしく感じられて嫌だったのです。

たぶん、動画サイトという身近なツール、そして投稿者の多くはプロでない(実はプロも多くいるらしいけど)一般市民という自己との距離感が、私にそういう感情を湧き上がらせてしまったのでしょう。要は「俺でもできそう」なのに「できそうもない」みたいな。そんな何か表現しようと思っても何もしない、何もできない自分が酷く憎らしかったこともあります。

それも「自分もオリジナルな作品を作らなきゃいけない」というある種の強迫観念に取り憑かれていたのが原因だったのかも。いや、もうひとつ、他者との、ひいては社会との関係が不足していたのかもしれません。自分に対するレスポンスが不足していたんですね。

だけどこと受容においては違っていて、私は毎日のように新しい音楽を聴きますが、そこで重視されるのは「オリジナリティ」でも何でもなくて、「○○っぽい」というある種の連想なんです。「あっ、このバンドオアシスっぽい!」とか、「この曲はマイブラの影響が強いな」とか、そういう連想元との関連性が強いアーティストから順に好きになっていきます。で、蔓を手繰り寄せていくようにその大元を辿ってみると、これもまたビートルズなわけで。私の音楽原体験は、中1の時に聴いたビートルズが最初です。

最近、21世紀になって、そんな影響元との関係という文脈で語られる、つまり「好きなアーティストの影響を隠さない」アーティストが増えてきたような気がします。それは捻くれた形での「古典回帰」なのかもしれないのと同時に私にとっても凄く嬉しいことで、「他者と違うこと」が至上の価値観でなくなったことは、すなわち「オリジナルからの解放」を意味するのではないでしょうか。「オリジナリティなんか何もない。だけどいい。」、私はそんな純粋な気持ちを大切にしたいと思います。

何でこんな話になったかというと、今度描く絵の構想を練っていてふと思ったからです。過去2回の展覧会に出した絵は今までほとんど描いてこなかった女の子をメインに据えた結果、意図せずガーリーな絵に仕上がってしまったのです(「ガーリー」とは、私の絵を見てくれた同級生の女性の弁)。

次に出す絵も、そんな感じになると思います…多分。自分の中にある種の「少女っぽさ」を形にしてみるのも面白いかなと思いまして。まあそんな大それたことじゃなくて、pixivで可愛らしい萌えイラストを描いている男性イラストレーターの気持ちとそんなに変わらないと思いますよ。

オリジナルの話は、未だ日本では根強い信仰のある「個性至上主義」と共通点が多くありそうだけど、そんなものは出来上がった作品に自ずと付いてくると思うようになってからは少しだけ楽になりました。自分がやりたいと思ったことをやればいいのではないかと。

そして、これが重要なんだけど、もっと他者からのレスポンスがもらえるようになりたいと思っています。

「自由とは自在のことである。」
「人は社会と関係を持つことで充足が得られる。」
これらも共に押井守監督の言葉。

私は絵だけじゃなくって、小説も書いてみたいし、作詞作曲もしてみたいから余計プレッシャーを感じてしまうわけですが、私の内にある純粋な感情を糧に、これからも少しずつ頑張っていきます。

P.S. ちょうどこの文章を書いているときに、私たちのサークルに入りたいという新入生から連絡が来ました。「Rainyblueさんのブログが面白かったので」だそうです。女子大の1年生だってよ。嬉しいなあ(笑)

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