青い空はポケットの中に - 蜷川実花展 ――地上の花、天上の色――(東京オペラシティアートギャラリー)

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蜷川実花展 ――地上の花、天上の色――(東京オペラシティアートギャラリー)

  • Posted by: Rainyblue
  • 2008-12-14 Sun 22:28:29
  • Art
☆怒涛の美術館レポート第2弾☆

◆蜷川実花展 ――地上の花、天上の色――(東京オペラシティアートギャラリー)◆

オープン・スペース2008と同じ日に行ってきました。ちなみに、東京オペラシティアートギャラリーは東京オペラシティの3階に、NTT/ICCは4階にあります。

蜷川実花は最近トレンディな写真家で、様々なメディアによく露出しているのを目にします。でも、彼女は映画『さくらん』や人物写真などで見られる、あの原色系を多用した色遣いが私の趣味じゃないしどうもいけ好かない印象だったのですが、展示を見てあの個性は彼女にしか出せない才能だろうなと感じました。それに、写真家としての基礎は割としっかりしていて、根底の作風はオーソドックスなのではないかと思いました。

展示内容では壁一面に敷き詰められた芸能人・有名人のポートレートが圧巻です。どの写真もやたらエロティシズムを漂わせていたので、きっと彼女は人をエロく撮ることに関してはかなりの才能を持ってますね。ただ、出来栄えには多少バラつきがあるように思えました。例えば、ビートたけしの写真は彼の素朴な印象を醸し出す瞬間を余す所なく写して切っていたのに対し、栗山千明の写真は化粧が濃すぎたり装飾がゴテゴテし過ぎたりで、総じて「やりすぎ」の印象を受けました。あれじゃ栗山さんの魅力がスポイルされちゃってますよ。まあ、ファンだから多少うるさくなってしまうっていうのもありますけどね。

以下、レポートの転載です。

・蜷川実花の作家性 ――金魚・花・旅――
蜷川実花が持つ独特の作家性について、展示作品を中心に、人物以外の金魚、花、旅の表現から考えてみたいと思います。

まず、金魚の表現について考えてみましょう。本展の金魚をテーマとした展示スペースには、壁面に金魚を撮影した巨大な映像が投影されており、その他の金魚を被写体とした写真も、金魚の持つ鮮やかな色彩が大胆にクロース・アップされています。本展公式サイトに掲載されている彼女の金魚に対するコメントでは、「フナの突然変異体、人によって捻じ曲げられた生き物。幸せそうにひらひら泳ぐその姿。」とあります。ここから読み取れるのは、金魚をある種の人工物として解釈し、形を伴った色彩そのものへと分解しようと試みる彼女の姿勢ではないでしょうか。金魚をテーマとした一連の作品を見て感じられるのは、金魚の姿よりも、金魚の持つ独特の色彩それ自体が形を伴って浮かび上がって私たちの目に入ってくるということです。

次に、花の表現について考えてみることにします。彼女の花の写真は、アップや大写しの構図の多さによって特徴づけられています。上記の金魚の写真では、金魚を、形を伴った色彩そのものへと分解しようとする彼女の姿勢を指摘しましたが、花の表現で特徴的なのは、色彩よりもむしろ形が際立っている点です。しかし他の写真家による花の写真と異なるのは、花の「形」が花全体としての「形」ではなく、唯名論的に私たちが花を個々のパーツに分解できる最小単位の「形」として際立たせているということであると思われます。ここに、彼女の「形」に対する鋭敏な感性を感じることができるのではないでしょうか。

最後に、旅の表現について考えてみたいと思います。旅は人の営みであり、過去から現在に渡って数多の写真家が取り組んできたテーマといえます。したがって、旅の表現はその写真家の作家性が如実に表れるテーマであると考えられます。本展に展示されている旅をテーマとした一連の写真群は、彼女の得意とする極彩色を強調した表現が抑え目になっているように見えます。一方で、、彼女の写真はPhotoshopで彩度を極端に上げたり、被写体の周辺にオブジェを大胆に配置したりするなど、多分に作為的な面が感じられます。しかし、旅は人の営みであると先述したように、その一場面を写真として切り取る行為には作為性が許されません。したがって、旅の表現はその写真家の素顔が如実に浮き出てくるのです。映画でいえば、前者(作為的な写真)は劇映画で、後者(旅の写真)はドキュメンタリーと捉えることもできるでしょう。このテーマから見えてくるのは、彼女は独特の表現が注目を浴びていますが、その根底にあるのは地に足のついた写真表現に対する姿勢ではないかと考えられます。彼女の旅をテーマとした写真は、アップや大写しが多い他の写真とは異なり、非常におおらかでのびのびとした構図が特徴的です。そうした写真は極めてオーソドックスであることから、それが彼女の繊細な写真表現の基礎となっているのではないでしょうか。

・蜷川実花の作家性 ――人物――
蜷川実花が昨今メディアで注目を浴びるようになったのは、人物写真に見られる極彩色を強調した独特の表現からであると思われます。ゆえに彼女の作家性を最も明確に特徴づけているのが、この人物表現です。本展で最も観客の注目を集めたのも芸能人・有名人のポートレートであり、壁一面にポートレートを敷き詰めた展示スペースの前には実際に長蛇の列ができていました。

彼女の人物表現で特徴的なのは、その人物のエロティシズムを内面から浮き立たせている点です。彼女の芸能人・有名人を被写体にした一連のポートレートを見て感じたのは、ヌードやポーズなどの直接的かつ表層的な表現からではなく、その人物そのものの内面からエロティシズムが浮き出ていたということです。それはちょっとした表情かもしれませんし、被写体となった人物全体から醸し出される雰囲気かもしれません。あるいは、言葉では抽出できない写真それ自体の佇まいかもしれません。そもそも彼女が監督した映画『さくらん』は、極端に原色を多用した極彩色が特徴であるとともに、花魁を主人公とした非常にエロティックな作品でもあります。したがって、人物の内面からエロティシズムを抽出するということに関して、彼女は独特の感性を持っていると考えられます。

<公式サイトはこちら>

【関連記事】
・オープン・スペース2008(NTT/ICC)
・蜷川実花展 ――地上の花、天上の色――(東京オペラシティアートギャラリー)
・未来を担う美術家たち DOMANI・明日展2008(国立新美術館)
・巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡(国立新美術館)
・巨匠ピカソ 魂のポートレート(サントリー美術館)


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