青い空はポケットの中に - 2005年09月

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2005年09月 Archive

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ドラえもん(わさドラ)第23回「ああ、好き、好き、好き!」「出木杉グッスリ作戦」

しばらく忙しかったので、今日は先週分のわさドラレビューのほかにもいくつか記事をアップしております。今日の回は2作品ともクオリティが高く楽しめる作品に仕上がっていました。

◆「ああ、好き、好き、好き!」

脚本:与口奈津江 絵コンテ・演出:寺本幸代 作画監督:嶋津郁雄
出典:てんとう虫コミックス第3巻

「ドラえもんは脇役が強烈だ」と改めて思わせてくれる作品。まずサブタイトルからして強烈だが、美少女・ぼた子・カバに似たおじさん・・・どれも一回限りの登場なのに、強烈な個性を放っている。

冒頭、クソ真面目に女の子への声の掛け方を練習するのび太。そんなのび太を知ってか知らずか、ドラは腹を抱えて笑い出す。しまいにはのび太を追い掛け回してでも聞き出そうという始末。この一連の仕草がわさドラらしい可愛らしさが出ていて気に入った。

キューピッドの矢が尖った矢から吸盤付きの矢に変更。それに伴い矢を「抜く」から「はずす」という表現に変わった。人に何かが刺さるというのは漫画の中では映える手法なのだが、アニメではビジュアル的に難しかったか。まあ取り立てて突付くようなことでもないし、話の面白さにも影響を与えていないのでOKだろう。

ドラが姿を消す場面は、原作の「しっぽを引っ張る」から案の定「透明マント」に変更。今でこそドラのしっぽはスイッチだが、原作初期はしっぽを引っ張ると姿を消すことができたのだ。その後、「便利すぎるし、絵的にも面白くないので、この設定はなかったことにした」と藤子F先生が公言されている。

カバに似たおじさんは原作通りの強烈なビジュアルで再現してくれたのでVery Good!。間違ってドラは彼に矢を投げてしまい、間違って彼の鼻の中に入ってしまう。それでくしゃみをして飛び出してきた矢がまたもや間違ってドラに当たってしまう。この一連の流れもよくできていたが、ドラが矢を彼から取り出した後「・・・カバそっくり」という台詞までの「間」が非常に良かった。また、後半ガス代の集金員がやるはずの役までもこの人の役になっている。こちらの方も流れがスムーズでよかった。クレジットが「カバ似の男」というのには笑ってしまった。

原作初期の先生は少しひょうきんなキャラクターを持ち合わせている。しかし先生も原作中後期以降のキャラに準拠したため、「うふっ、おもしろそうですね。」といった笑える台詞はカットされた。また、先生はアパート住まいから一軒家に。しかし、先生が射ようとした的が柿になっており、絵も丁寧で季節感も出ていた。

最後の方で美少女がのび太のアメリカに帰ることを告げるが、矢が当たったまま芝居がかった台詞で別れを惜しむシーンなどが大幅に追加された。テンポも良く、魅力的なアニメオリジナルシーンになっていたと思う。

ラストのぼた子は何か得体の知れない輝きを放つ料理を作っていた。また、男勝りの台詞もぼた子らしかった。なかなか強烈なビジュアルだったのではないか。全体としてはかなり出来の良い作品だった。




◆「出木杉グッスリ作戦」

脚本:早川正 絵コンテ・演出:寺本幸代 作画監督:嶋津郁雄
出典:てんとう虫コミックス第22巻

冒頭ではアニメオリジナルで、出木杉の人となりをドラが紹介する場面が追加された。8ミリフィルム風の映像と三味線をBGMに、ドラが講談師風に出木杉を紹介していた。出木杉の名前は現在の公式見解に準拠して「英才(ひでとし)」と読まれた。「ぼくドラえもん2112」の歌詞にも見られるような四字熟語のたたみかけが面白かった。


冒頭ではドラが一人でカードで遊んでいる。どんな遊びをしていたのか気になる。原作では他にもドラがスライムやヨーヨーで遊んでいたりと、当時の流行を表すようなひとコマが描かれることがあった。

後の展開はほぼ原作通り。以下特に気になった点を挙げておく。

パパの眠い目が原作通り「黒目に横線一本」できちんと表現してくれたのは良かった。藤子キャラはとにかく表情が豊かだ。わさドラでもこれからは色々な表情で楽しませて欲しい。

壊れた「グッスリまくら」から発せ足られた「目ざまし電波」の説明は、のび太の一連のシーンの真ん中にドラが眠い目をこすって眠たげに説明するシーンとなった。工夫が感じられて良かった。

廊下で眠りこけるドラにこっそりと布団が掛けられていた。のび太が掛けてあげたのだろうか。

全体としてはこちらも楽しめる良い作品に仕上がっていた。



次回は3週間の放送休止の後、10月28日に1時間スペシャルが放送される。内容も「昔はよかった」「宝星」とこれまた私のお気に入りの作品ばかり。楽しみに待っていたいと思う。

今日は藤子・F・不二雄先生のご命日

9月23日は私の尊敬する偉大な漫画家であり、ドラえもんの作者である藤子・F・不二雄先生のご命日だ。

藤子・F・不二雄(本名:藤本弘)先生は1996年9月23日にお亡くなりになった。62歳の若さだった。9月20日の深夜、ペンを握ったまま机の上で意識不明の状態で発見されてから3日後の死だったという。

私がドラえもんを始めとする藤子作品に興味を持ったのは奇しくも藤子F先生の死がきっかけだった。それから様々な作品を読んで、藤子作品の世界にどっぷりと浸かっていった。それでもまだまだ未読の作品が多いのだが、あせらずじっくりと読んでいきたいと思う。いつか全集出版等の形で藤子(A・F)先生や藤子作品の再評価がされることを切に願う。私と藤子作品のかかわりについてはこの記事を参照してほしい。

最近は藤子A作品の魅力にも気づき始め、「私は『藤子不二雄』という漫画家が好きなんだ」と思うようになった。たとえコンビを解消しても「藤子不二雄」は分かちがたい二人で一人の漫画家だったのだと改めて思う。

いつの日か必ず藤子A先生には直接お会いしたいと思っているし、藤子Fの墓前にもお参りしたいと思っている。

天国の藤子F先生よ、安らかに・・・

「好きなアニメランキングベスト100」(テレビ朝日系)

  • Posted by: Rainyblue
  • 2005-09-22 Thu 00:24:48
  • Animation
アニメのランキング番組はテレ朝で幾度となく放送されており、私もその都度見てきたが、今回も「これが日本のベスト100」という番組の企画として2時間にわたって放送された。

藤子アニメのランクインは、「ドラえもん」(第3位)、「キテレツ大百科」、「オバケのQ太郎」、「怪物くん」の計5作品。やはり懐かしアニメが中心だったが、放送中のアニメとして私のお気に入りの「ケロロ軍曹」が第58位にランクインしていたので嬉しかった。

肝心のドラえもんは、大山ドラに関する放送は一切なく、わさドラオンリーだった。内容は、わさドラの映像と新声優陣のコメント、それから新主題歌「ハグしちゃお」の紹介など。テレ朝側はわさドラの定着に躍起になっているだろうから、しばらくテレ朝の地上波で大山ドラが流れることはないかもしれない。3位なのにパネラーのコメントは一切放送されなかったが、余り芳しくない評判がパネラーの口から発せられたというのは想像に難くないかも。今のところ、わさドラを好意的に見ているのは少数派だろうからね・・・。

また、この番組を見て版権の難しさを改めて思い知った。前述の「オバQ」は一枚の絵すらも写されないという状況だった。オバQの版権についてプロダクションがもめているのは知っているのだが、ファンとしては醜い争いにケリをつけて早くオバQ(漫画・アニメ共に)手軽に手に入る状況を作っていただきたい。

ドラえもん10月28日より新オープニング「ハグしちゃお」(歌:夏川りみ)

突然、こんなニュースが舞い込んできた。

夏川りみがドラえもんの新曲…「ハグしちゃお」(サンスポ)

歌手、夏川りみ(31)がテレビ朝日系アニメ「ドラえもん」(金曜後7・0)の新オープニングテーマ曲「ハグしちゃお」(作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童)を歌うことになり、このほど都内のスタジオでレコーディングを行った=写真。

26年ぶりの新曲で、10月28日放送分からオンエア。夏川は「子供にかえった気持ちで歌わせていただきました。歌詞にはいろいろな愛が詰まっています。末永く親しまれ、全世界の皆が知っている歌になったら嬉しいですね」とPRした。



引用元はここを参照して欲しい。

上記の記事の通り、10月28日からわさドラのOPテーマ曲が変更されることになった。馴染みのブロガーの方々によれば、阿木燿子・宇崎竜童のコンビはシンエイ動画版「オバケのQ太郎」の主題歌を手がけたことがあるそうなので、その点は信用できる。また、夏川りみさんは実力のある歌手なので、妙なアイドル起用に比べれば、歌唱力は問題ないだろう。

ただ解せないのは、なぜこれをリニューアル初回にやらなかったのか。私はかねてよりわさドラの主題歌は全く新しい歌に作り変えた方が良い、と言ってきた(『ドラえもんのうた』の歌い直しでも良い、と言ったこともあるが)。単なる予定調和の話題づくりなのか何なのかは知らないが、いささか中途半端な気がするのは私だけだろうか。

また、別の作曲家を起用しなくとも、アニメ版「ケロロ軍曹」の第1期テーマ曲「ケロッとマーチ」を作曲した実績のある沢田完氏になぜ依頼しなかったのか、と疑問は尽きない。制作側は大幅な人員入れ替えをしたといっても、テレ朝側のプロデューサーは大山ドラ晩年の戦犯が未だに残っている。制作側が口出しするようなことでもないし、これは恐らくプロデューサー側の仕業だろう。

話題性を重視するならば、今更感のある女子十二楽坊を起用し、「ドラえもんのうた」をインストで流すなどという中途半端な形にはなるべくしたくないはずだ。

肝心の曲についてだが、このニュースが発表された日の朝に、「やじうまワイド」(テレビ朝日系)で流れているのを聴くことができた。

だが・・・「ドラえもん」の「ド」の字も出てこないとは何事か。他のアニメのように、半年かそこらで使い捨てられてしまうような曲なのか。曲調は喜納昌吉&チャンプールズの「ハイサイおじさん」によく似ている。同じ沖縄系ソングとして影響を受けたのは間違いないだろう。アップテンポでNHK教育の「みんなのうた」にも使えそうな感じの曲だが、このような半分使い捨てのような曲でわさドラを続けていく気なのかと、一抹の疑問と不安を私に残した。ともかく3週間放送休みの後の10月28日の1時間スペシャルに期待したい。

大分こなれてきた「新車ファイル クルマのツボ」(TVKテレビ系)

  • Posted by: Rainyblue
  • 2005-09-20 Tue 00:21:19
  • Cars
三本和彦氏が司会を務めた「新車情報」(TVKテレビ系)が終了してから数ヶ月が経過したが、後番組して岡崎五朗氏らが司会を務める「新車ファイル クルマのツボ」(同)が放送されている。

実はこの番組、初回放送以来まともに見ていなかったのだが、今回久々に見ることができた。今回の車は「日産フーガ」だった。車の良し悪しはさて置き、今回久々に見てこの番組の成長を感じ取ることができた。

岡崎氏はメーカー担当者に厳しい意見をハッキリと言っているし、もう片方の司会者の小森谷氏も素人視点から率直な感想を述べていた。

正直、あの三本氏の後継番組はなかなか上手くいかないだろうと思っていたのだが、まだまだ三本氏の足元には及ばないものの、これなら大丈夫と思わせてくれるものだった。

これからも定期的に見るようにしたいと思う。

ドラえもん(わさドラ)第22回「ミチビキエンゼル」「家がだんだん遠くなる」

身辺が忙しくしばらくパソコンの前に近づけなかったので、1週間遅れで先週分のわさドラレビューです。他にも記事をアップしています。

◆「ミチビキエンゼル」

脚本:高橋ナツコ 絵コンテ・演出:塚田庄英 作画監督:中村英一
ミチビキエンゼルの声:亀井芳子
出典;てんとう虫コミックス第3巻

ほぼ原作通りの展開だった。

冒頭、ドラえもんが風邪をひいているシーンがあったが、ここは原作通りしっかり表現してあった。ただ、「ハクション!」「ロボットのくせに、かぜをひくなんて。ぼくは精こうにできすぎてるなあ。」「あったかくして、ねていよう。」といった一連の動作は、ロボットの癖に人間と同じように風邪をひいている、というミスマッチ加減が面白いので、できればもう少し大げさに表現して欲しかった。

くだらないことでドラを呼びつける優柔不断なのび太に痺れを切らし、ドラは「ミチビキエンゼル」という道具を取り出す。てるてる坊主の様な形をした人形で、手にはめると一番本人のためになる答えを導き出してくれるという。

私もたまに優柔不断なところがあり、やけにくだらないことで「どっちにしようか」などと悩むことがあるのだが、そんな時にこんな道具があればなあ、と幼少時はそう思っていた。だが、この話を理解するうちに、それは間違いなのかもしれないと思い始めた。のび太もこの道具と接していくうちにだんだんと嫌気がさしていったのだ。

確かにズバッと一発で答えを導いてくれる道具は魅力的に思えるが、実際この道具はただただうっとうしいだけなのだろう。使ってみれば口うるさい友人やら両親やらと変わらない。時間が掛かろうが、優柔不断だろうが、自分で導き出した答えが一番しっくり来るのだと、そんな教訓を感じ取った。

この話では、くしゃみの勢いでねじを一本落としたドラが体調を崩し、部屋で腹の中身をさらけ出して一人で修理しているという、ちょっとショッキングなシーンがあるが、これも原作通り再現されていた。その後、のび太がドラのねじを探す場面は原作よりも緊迫感をもって描かれていた。

わさドラのミチビキエンゼルは色々な意味で不気味さを醸し出していた。源家でのび太がしずかちゃんとボードゲームに興じているシーンで、のび太がエンゼルの指示に逆らった後の微妙な間が、なんとも言えず不気味だった。この演出は効果的だったと思う。

それ以外の場面では、ほぼ原作丸写しなので取り立てて印象に残る部分もなし。全体としてはギリギリ及第点といったところ。「原作丸写し」=「原作の良さを引き出したアニメ作品」ではないということを改めて痛感させられた。




◆「家がだんだん遠くなる」

脚本:与口奈津江 絵コンテ・演出:塚田庄英 作画監督:中村英一
出典:てんとう虫コミックス第14巻

ドラえもんの原作は大長編も含め、一度読んだら後々トラウマが残りそうな場面やエピソードがいくつか存在するといわれている。どんな話がトラウマに残りやすいのか、その基準は人それぞれだろうが、この「家がだんだん遠くなる」は私が怖いと感じた、印象に残った話の一つである。

この話が描かれた当時はペットブームの反動か何かで、捨て犬や捨て猫が社会現象になっていたのだろう。原作のラストの台詞には、そんな社会問題に対する藤子F先生の批判的精神が感じ取れる。

前半に比べてこちらの話のほうがアニメオリジナルのシーンや演出も良く効いており、純粋に楽しめる作品になっていた。

各キャラクターの表情が楽しい。のび太が「すて犬ダンゴ」を見つけたときの得体の知れないものを見ているような、それでいて食べたそうな表情が自然な感じでよく表現されていた。その後、ダンゴを食べているのび太を発見したドラえもんのオーバーなほどのリアクション。「エェーッ!」と驚愕の表情を見せた後ガタガタと震えだす。そんな一連の動作が事の重大さを暗に伝えていた。

これを食べて外へ出たら最後、もう二度と家へは帰って来られないという「すて犬ダンゴ」。これを食べて戻って来られた犬はいないという。これを食べてしまったのび太は、ひょんなことから家を飛び出してしまう。小学生くらいの子供にとっては、1キロメートル先の隣町ですら未知の世界なのだ。私も小学校低学年の頃、たびたび近所の悪友たちとちょっと遠くまで探検に行っていた。ほんの目と鼻の先の世界でさえ、その頃は異世界に思えたものだ。それから約10年経ち、今では行動範囲も広がって目新しさを感じるような体験もなくなった。と、思い出話はそれくらいにして、小学生くらいの子供はちょっと家から離れたくらいでもはや未知の世界なのだ。今回のわさドラでは、のび太がだんだん家から遠ざかっているという緊迫感や、のび太の表情や行動から見て取れる言いようのない不安感が、見事に表現されていた。

ラスト近くののび太が生ゴミを食べるシーンは、賞味期限切れのおにぎりになり、のび太の嘔吐シーンもカットされた。それはどうでもいいが、ラストシーンは「すてられた犬の気持ちがよくわかったよ。」という教訓的な終わり方ではなく、ママにしかられるシーンに変更された。

全体としては満足できる出来だった。

ドラえもん(わさドラ)第21回「ペコペコバッタ」「ジャイ子の恋人=のび太」+いろいろ

ここしばらくは金曜日の夜以外、パソコンやネットに時間を割けそうにありません。。。少し遅れてしまいましたがわさドラ感想いきます。それと、結局書けずじまいだった「ドラえもん プラス」「もっとドラ」「モッコロくん」のレビューも書きます。

◆「ペコペコバッタ」

脚本:早川 正 絵コンテ:前田康成 演出:宮本幸裕 作画監督:嶋津郁雄
出典:てんとう虫コミックス第1巻

どうしても人に謝らせたい。そんな時にドラが出した道具は「ペコペコバッタ」。これが人の鼻の中に入れば、何でもかんでも謝らなければ気がすまない人になってしまう。謝る人が他人と競争をするかのように、謝罪行為がどんどんエスカレートしていく様子がとにかく面白い。

冒頭のシーンではボールがのび太のメガネに当たってしまい、メガネを割られたのび太が怒って皆の前に猛進していく様子がクローズアップで描き出されていた。のび太の怒りを強調させるためだろう。サッカーをしていた少年4人は避けないでボーっとしているのび太が悪いなどと反論をする。原作を読んでいたときは、この辺のくだりが実に理不尽な台詞だと思ったものだ。それと、ほっぺたが丸くて唇が異様に厚い少年も原作のまま描かれていたのはGood!

ペコペコバッタの動きが面白い。人間の鼻の中からコミカルに動いて見せたり、くしゃみをして地面に叩きつけられた時のリアクションなどはコミカルで楽しい。制作側に何らかの思い入れでもあるのか、ペコペコバッタの演出は芸が細かかった。

スネ夫の反省文句はアニメオリジナル。「美少年に生まれただけでも罪なのに、おまけにウチはお金持ちだし・・・!」・・・なんという嫌みったらしい謝り方だろう!自分の恵まれた境遇までも罪の意識に転化させてしまうところは、さすがスネ夫である。この台詞もスネ夫らしさが出ていて良かった。

ジャイアンが電柱にドスドス頭をぶつけるところや、木槌で自分を殴ろうとする場面は原作通り。しかも、振りそこなった木槌がドラにあたってドラがひしゃげてしまうところまでそのままだった。このひしゃげたドラは好きなシーンの一つなので映像化してくれたのは嬉しかった。

首吊りをしようとしたダダシくんや割腹自殺をしようとした泥棒は軒並みカットされた。しかし、このシーンはシリアスではなくコミカルに茶化したシーンなのでさらっと流してくれても問題なかったような気がするが・・・?

余りに大げさで笑ってしまうのが自称石川五右衛門・怪人二十面相ことお巡りさん。原作では自ら留置場に入り、「光化学スモッグも、ベトナム戦争も、物価の値上がりもみんなぼくの責任です。」などとのたまっている。わさドラでは、自らの正体を明かすこともなく、自ら留置場に入ることもなく少々物足りなかった。台詞は現代に合わせて「不景気もオゾンホールも・・・」に変更された。交番に留置場が設置されているのかどうかはともかく、新たに追加された、泥棒がわんさか交番に押しかけるシーンはこれはこれで面白かった。泥棒たちは「俺は前科○犯だ!」「いや俺は前科○犯だぞ!」などと自慢しなくてもいいようなことまで自慢する始末。

「みんな謝ることがいっぱいあるんだね。」はのび太が発したオリジナルの台詞。さらっと流したが核心を付いた台詞だと思う。人間誰しも人に言えないような悪いことをしているものだ。全員が全員素直に謝ることができれば実に平和な社会が築けそうだが、そうは問屋が卸さなかった。全員が正直に謝ってしまうと社会が成り立たなくなってしまうのだ。この話は一種の実験的作品だと思う。結果的には、「人に言えないような行いはするもんじゃない」という結論に結びつく。

オリジナルシーンとしてしずかちゃんが登場。タダシ君に対して、「謝ることがなくてごめんなさい。」とは、しずかちゃんらしいというかペコペコバッタの威力は恐ろしいというか・・・。のび太に対しては、のび太にあげたクッキーのほとんどはママが焼いたもので、形の崩れたのはのび太にやり、形の良いものは出木杉にあげたという、のび太にとっては知りたくもないような衝撃的事実を吐露される。人間知らぬが仏ということもある、ということを示す暗示だろうか?

タイムリーなシーンとして、選挙カーが贈収賄の事実を暴露するくだりには思わず笑ってしまった。しかも、クレジットが「贈賄側の男」「収賄側の男」と書いてあったように見えたが・・・?もしそうならば更に笑える事実だ。

しかし、謝っている人たちはその謝罪行為によって他人に迷惑をかけることは考慮しないのだろうか。

全体としては大いに楽しむことのできた一編だった。




◆「ジャイ子の恋人=のび太」

脚本:与口奈津江 絵コンテ:前田康成 演出:宮本幸裕 作画監督:嶋津郁雄
出典:てんとう虫コミックス第22巻

連載後期キャラのジャイ子が初登場する話。時間軸としてはこの話の方が最初なのだが、わさドラでは先日「まんが家ジャイ子」を放送したばかりだ。ただ、この話を早めに放送してしまうのは必須だったとも言える。タイトルコールでは「=(イコール)」は発音しなかった。

久々に原作中後期作品からのチョイス。個人的には20巻以降の作品に特に思い入れがあるので(小学校の頃は新しめの巻数から読んでいたため)、この話も幾度となく読んだ。ジャイアンの勘違いっぷりが楽しい作品である。

ほぼ原作通りの展開であった。

ジャイアンはとにかく妹思いだ。妹のためには他人を犠牲にすることだっていとわない。今回はそんなジャイアンの気質のためにのび太が迷惑を被ってしまうわけだが・・・。

この話で最も好きな場面は、単行本22巻P.60の5コマ目。のび太がジャイアンの特訓を受けている場面を、スネ夫が目撃してしまうシーンだ。ジャイアンがのび太に寄り添い、土管の上で愛の告白(!!)をする。それを勘違いしたスネ夫が草葉の陰から目撃してしまうのだ。わさドラでは、スネ夫の慌てっぷりがやけに強調されて、妙に間延びしたシーンとなってしまったが、ギャグとしてはそこそこ面白かった。また、道端で花を摘むジャイアンやいつの間にか花束を持ってきているジャイアンが滑稽だった。

ラストでは、ジャイ子が描いたマンガの原稿が表示された。その名も「運の悪い男」。今までジャイ子が描いてきた様々なマンガにおけるジャイ子のネーミングセンスに合致するかどうかは微妙だが、最後の「どこまで運の悪い男なんだろう。」に結びついていたのは良かった。

全体としてはまずまずの出来だった。

来週は「ミチビキエンゼル」(3巻)「家がだんだん遠くなる」(14巻)の2本。


~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

ここからは出版物のレビュー。

てんとう虫コミックス「ドラえもん プラス」第3巻

「ドラえもん プラス」第3巻遅れてしまったが、ドラえもんの誕生日である9月3日に、「ドラえもん プラス」の3巻が発売されたので私も近所の書店で購入した。「通常版」とキーホルダー付きの「スペシャルパック」があり、私は「スペシャルパック」のみ購入。収録作品と掲載誌に関しては、koikesan氏のブログを参照して欲しい。この3巻は、今までの1巻や2巻と比べても、「何でこの話が未収録だったのだろう?」と思わせてくれる作品が勢ぞろいだと感じた。


個人的に嬉しかったのは、小学生の頃買った「ドラえもんひみつ道具大百科」に描かれている道具の登場する話が収録されたことだ。「きもだめしめがね」「トビレットペーパー」などは、原作を探しても載っている話がなくて今まで読めずじまいでいた。当時は単行本未収録作品があることを知らなかったが、今こうして正規のてんとう虫コミックスでそれらの作品が読めるようになったのは感慨深い。

また、「ドラちゃんのおへや」のおおはた氏がお気に入りの「ばくはつこしょう」も収録された。このサイトを見始めたころからどんな話なのか気になっていたのだ。読んでみて期待通りの爆笑話なので大満足。他にも珠玉の一編がずらり。3巻が今までの「プラス」の中で最もクオリティの高い巻だと思った。



ぴっかぴかコミックス「モッコロくん」(著:藤子・F・不二雄)

モッコロくん遅ればせながらぴっかぴかコミックスの最新刊として出版された「モッコロくん」を購入した。1974年から1975年まで幼児誌で連載されていた、藤子F先生の幼児向け短編の傑作。F先生のムック本などでタイトルだけは知っていたが、長い間埋もれていたということもあり読むのは今回が初めてだ。読んでみたが、今まで単行本化されていなかったのが不思議なくらいだ。モッコロくんの可愛らしいキャラクターがとても気に入った。また、ほとんどの話がカラーで描かれているので絵本を読んでいるような暖かさを感じる。モッコロくんのプロフィールが「妖精のような昆虫」というのが面白い。こんなところにもF先生のギャグセンスが感じられた。



◆雑誌「もっと!ドラえもん」No.3

「もっと!ドラえもん」のNo.3も同時購入。「のび太の恐竜2006」の美術監督に西田稔氏が就任したという記事。彼の美術ボードを見る限りでは、わさドラ本編の美術監督である清水としゆき氏の淡い色調とも違う、リアルで情緒的な雰囲気を感じさせる絵だった。未収録カラー名作戦選は「コース決定機」と「タイムふろしき」の2本。どちらも面白いが、「タイムふろしき」と名の付くもう一つの作品を読むことができたのは嬉しかった。幻の作品にもう一つの「もしもボックス」があるそうだが、そちらもぜひ読んでみたい。ほかには、誕生日にちなんでドラえもんの総力特集、水田わさび氏のインタビューなど。

ドラえもん(わさドラ)第20回「ご先祖さまがんばれ」

今週は「ドラえもん誕生日!!巨大ドラ焼きあげちゃう!スペシャル」と題して、ドラえもんの誕生日を祝う回となった。今週の話は本来次週放送予定だったが、急遽前倒しで放送されたようだ。また、今回はミニシアター・ドラえもん音頭共に放送されず、番組の前後にドラの誕生日と関連したミニアニメが挿入された。ミニアニメは派手な演出はなく素朴にまとめてくれたので一安心。

◆「ご先祖さまがんばれ」

脚本:大野木寛 絵コンテ・演出:腰 繁男 作画監督:富永貞義 
のび作の声:まるたまり
出典:てんとう虫コミックス第1巻


原作は16ページで、連載初期にしては長めの中編作品となっている。のび太の先祖や子孫が出てくる話はいくつも描かれているが、この話はのび太の先祖関連の話の中では最も古いものであろう。また、今回は久々に30分1話構成の回となった。そのまま30分間原作通りに流すと尺が足りなくなるのは目に見えていたので、今回はどのようなアニメオリジナルシーンが挿入されるのか注目して見ていた。

基本的には原作に忠実な内容だった。以下気になった点を簡潔に記したい。

・のび太のご先祖さま
野比家の先祖は狩人ののび作である。狩人ということはごく普通の農民と変わらない細々とした暮らしを続けていたのだろう。近眼だったり、あわてんぼうだったり、怖がりなところなどはご先祖さま譲り。

・スネ夫のご先祖さま
原作でも登場コマ数が多い。スネ夫の先祖は普通の侍だったようだ。馬に乗った父親の姿も見られる。冒頭でスネ夫は先祖代々受け継がれてきたという刀を見せびらかして、自分の先祖は家老だったとえらそうに自慢していたが、話の終盤で取ってもいないのび太のの手柄を差し出して、殿様から家老に任ぜられていた。卑怯なところがスネ夫らしいといえばスネ夫らしいかも。

・ジャイアンのご先祖さま
原作でもアニメでもジャイアンの先祖らしき人が登場。足軽で、腕っ節を自慢するところなどはジャイアンらしい。のび太がポケットから出したガラスのビー玉に心底驚き、鎧や着物全部と交換してくれとのび太にせがみ、結局のび太は鎧や着物と引き換えにビー玉をすべてその男に差し出した。その時ドラが「当時ガラスは『ギヤマン』と呼ばれて大変高価なものだった」という補足説明を加えていた。ギヤマンとはオランダ語の言葉で、ダイヤモンドの意。江戸時代はダイヤモンドを指す語として普通に使われたらしい。ジャイアンの先祖関連では、冒頭にしずかちゃんが「たけしさんのご先祖は豪傑だったんじゃないかしら?」といったのに対して、ラストでジャイアンの先祖が、のび太から譲り受けたビー玉を売ったお金を元手にして商売を始めたというオチにつながっていた。また、ガラスが貴重品だという序盤の説明が、見事ラストと結びついていた。原作では剛田家が代々商人だという記述は出てこないが(そもそも原作では剛田家の家業も乾物屋だったり八百屋だったりと不明確で、家業に関連したエピソード自体が少ない)、アニメでは現在剛田家が雑貨店を営んでいることを考えるとなかなか気の利いた追加部分だったのではないかと思う。

・しずかちゃんのご先祖さま
しずかちゃんの先祖らしき人物も登場。しずかちゃんに関連した人物は原作には出てこないので、これはアニメオリジナルのエピソードである。病気の父を看病する心優しい女性で、貧しい暮らしをしているようだ。暴漢に追われているところをひみつ道具で武装したのび太に助けられる。のび太は彼女から話を聞き、1個だけポケットに入っていたアメ玉を差し出した。彼女はアメ玉をたいそうありがたがっていた。ここでもドラが補足説明:「当時砂糖は貴重品で、実際に薬としても飲まれていた」とのこと。しずかちゃんの先祖は2001年に放送された大山版でも出てきた。私の記憶に残っている限りでは大山版も面白くて、楽しんで見ることができたのだが、大山版のほうが先手だったようだ。大山版についてはおおはた氏の「はなバルーンBlog」を参照して欲しい。今回の追加分も話の流れを邪魔せずに良い追加シーンになっていたと思う。


・「どっちも自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ。」
ドラの台詞。クールに戦争というものを見つめる。戦争という言葉をこれほど端的に、かつ分かりやすく説明してくれる言葉はそうそうないだろう。

・矢の刺さったドラ
のび作が初めて当てた矢の獲物(?)が、大ダヌキ、もといドラえもん。原作では矢がドラの頭を貫通しており、なかなか強烈な絵になっているが、わさドラではドラの尻に刺さるという少々控えめなシーンに。物足りないといえばそうだが、何とか表現しようとした取り組みは評価することにする。

・テンションが高いドラ
のび太の先祖を殿様にしてやろうなどと平気で歴史改竄を言い出すドラはいかにも初期の雰囲気で面白い。また、矢の飛び交う戦場へ平気で押し出そうとするドラも初期テイストだ。わさびさんの話し方がもう少しトーンが抑え目だったらなお良かったのだが。

・タイムテレビ
タイムテレビがフラットなワイドスクリーンに。この道具は「調整が難しい」としたのも良い追加だったと思う。時折タイムマシンの超空間だ出てきたりと芸が細かい。ここでは先述した各キャラの先祖の後日談を描くことで分散したエピソードをきれいに一つにまとめていた。オチは「やっぱりダメな人」というのは原作通り。私はドラとのび太からもらった道具を上手に使いこなせているだけでも、のび作は進歩したのではないかと思う。

・「そんな急にご先祖が変わる訳ないだろう。」
今日一番のポイント!!
終盤のパパの台詞。この台詞からにじみ出てくるナンセンスな雰囲気から藤子Fテイストが感じられて、大いに笑わせてもらった。

全体を通してみて、説教くさい点を除けばほぼ満足のいく出来だったと思う。「スペシャルだから」という理由付けは特にしないつもりだ。わさドラでは、通常回でも「○○スペシャル」と銘打った回がこれからも出てくると思うので。

来週は「ペコペコバッタ」(1巻)「ジャイ子の恋人=のび太」(22巻)の2本。前者は原作のブラックジョークをどう料理するのか、後者はこの話をジャイ子初登場回に持ってきた方が良かったと思うのだが、とりあえず久しぶりのジャイ子の声に注目したい。

明日か明後日に、「もっと!ドラえもん」Vol.3、「ドラえもん プラス」第3巻、ぴっかぴかコミックス「モッコロくん」のレビュー記事をアップする予定。

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